乳幼児睡眠コンサルタントのねんねママ(@nenne_mama)です。
ねんねトレーニング、略して「ネントレ」という言葉、聞いたことがある方も増えてきていると思います。
子供を泣かせたまま、部屋に放置するというイメージがあるかもしれませんが、一口にネントレといっても様々なメソッドがあります。
今回の記事ではネントレメソッドの中でも有名な「ファーバーメソッド」について解説をしていきます。
動画でも解説しています!
ファーバーメソッドとは?
ねんねトレーニング(略してネントレ)の手法の1つ。
リチャードファーバーという小児科医が提唱した手法。ボストンの小児病院にある小児睡眠障害センターの創設者であり、子供の睡眠の第一人者です。
ネントレの手法はものすごくたくさんあり、世界中の研究者や小児科が様々なものを提唱していますが、これはその中でも有名な方法の1つです。
愛波文さんの本では「タイムメソッド」という名前で紹介されています。

ファーバーメソッドのやり方
この手法は簡単にいうと赤ちゃんをベッドに置いて、一定時間外に出て、また寝室に戻って、また外に出る…というのを繰り返す手法です。
※ネントレに取り組んでいただくには注意点があります。個別相談ではそういった点も踏まえながら慎重にサポートしています。どうか注意点までしっかり読んだ上で実践されるようにしてください。何か異変があった場合は小児科医に指示を仰ぐようにお願いします。
<手順>
①まずいつものルーティンをしたら赤ちゃんをベッドに置きます
このとき泣いていても「おやすみ〜」と声をかけて一旦部屋を出ます。
②部屋を出たら泣いている時間を計ります
1回目は3分経ったら部屋に入って声をかけます。時間は短めに、1-2分が目安です。
③泣いていてもまた部屋を出ます
2回目は5分経ったら部屋に入って声をかけます。ママ(パパ)はちゃんといるからね!と教えてあげましょう。
④これを繰り返し、入室までの時間を伸ばしていきます
初日:3分→5分→10分
2日目:5分→10分→12分
3日目:10分→12分→15分
4日目:12分→15分→17分
5日目:15分→17分→20分
6日目:17分→20分→25分
7日目:20分→25分→30分
…と数分ずつ伸ばしていくのが目安です。
初日は10分間隔ごとに入室、2日目は12分間隔、と3回目の分数を繰り返していくのが基本ルールです。
7日目以降は最大30分を待機時間とします。
そして赤ちゃんが自分で寝るまでこれを繰り返します。ママやパパにとっては”泣き疲れて寝た…”という印象になるかもしれませんが、ちょっとずつ声が小さくなっていって寝るというのが大事な自分で寝つく経験です。
★Point
数えるのは泣いている時間です!泣き止んでいたり、声が「ふぇっふぇっ」といったように小さくなっていたら眠れるかもしれないサインなので、入室するのを待って見守りましょう。
ファーバーメソッドのメリット/デメリット
メリットとしては比較的泣きがおさまるようになるのが早いことが挙げられます。反対にデメリットとしては一時的に泣きが激しくなることが挙げられます。
傾向としては泣かせる手法ほど早めに効果が出ることが多く、反対にできるだけ泣かせないようにする手法ほど効果が出るまでに時間がかかる傾向があります。
どんな人におすすめ?
子どもが目の前で泣いているのはつらい、部屋を出たい!という方におすすめです。またトレーニングをする赤ちゃんの上にお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる方(第二子以降の方)にもおすすめです。
部屋から出られるので、出ている間は上の子をお世話をしたり、気分転換をしたりすることができます。
なにもストップウォッチ握ってじっと待機していなきゃいけないわけではないですからね!だいたいの時間を計ってまた入室するようにすればOKです。
泣かせるのは苦手…という方へ
はっきり言って、この手法は子どもが泣きます。
なので、本当に泣かれるのが苦手!!という方には厳しいかもしれません。
ですが、そういう方にも一旦考えていただきたいのは子供が泣いている理由です。もちろんかわいい我が子が泣くのは嫌ですよね。誰だって嫌だと思います。私も嫌です。
でも泣いているには理由があるんです。その理由をよく考えてみてください。
ネントレで部屋に置いていかれて赤ちゃんが泣いた時、赤ちゃんは「なんでよママ!そばにいていつもみたいにあやしてよ!」と思うのですよね。そしてそれを言葉で伝えられないから泣くのです。
この「いつもみたいにして欲しい」というのは赤ちゃんがいつも通りを好むからです。そして他の寝つき方を知らないからなのです。
順応性の高い赤ちゃんたちはこの「新しい寝つき方」さえ覚えてしまえば、それを受け入れて眠れるようになるのです。それがネントレです。
他のことに例えるなら、例えば保育園の慣らし保育も似ています。
ギャーギャー泣くけれど、それでも慣れてニコニコ過ごせるようにだんだんになってきます。ママたちが働くために必要だから、泣かれても意思を貫いて預けて、その結果ニコニコ通えるようになります。
それ以外にも、例えばチャイルドシートも同様です。最初は「いやだ!抱っこで乗せてよ!」とギャーギャー泣くかもしれません。でもこれは安全のために絶対に必要だから、と固い意思を持って乗せ続けていると慣れるようになるものです。
自転車のヘルメットだって、ベランダの柵に登ってはいけないのだって、なんだって親が自信をもって絶対にそうしたほうがいい!そうすべきだ!と思っているから貫けるのですよね。
自信を持って取り組むためにも、睡眠の土台を整えて、ママにそばにいて欲しいという以外他に泣いている理由はない!と思えるようにしてくださいね。
コツ・注意ポイント
コツとポイントを6つご紹介します。
①安全な寝床であること
まず大大大前提として、安全でなくてはいけません。
部屋に一人で置いていくので、安全な寝床でない場合は実践できません。
安全な寝床については下記の記事で解説しています。
②月齢
ファーバーメソッドはネントレメソッドの中でも強めの方法です。6ヶ月以降のお子さんに行うようにしてください。
それ以前の月齢で取り組んだ場合、月齢的に寝つくのが難しくて成功体験が経験できず、うまくいかない可能性があります。
③病気のときはしないこと
ネントレをしようと予告していたとしても、もう始めてしまっていたとしても、病気になってしまったら一旦中断しましょう。
④寝かしつけのタイミング
最初に置く時には寝かしつけのタイミング目安を参考に置くこと。これも大事です。
様子を見てまだまだ全然眠くなさそうであれば、15-20分ずつ様子を見ながら後ろ倒してみてください。
月齢ごとの寝かしつけのタイミングは下記の表を参考にしてみてください。個人差があるので、その子その子の元気でいられる時間を観察してみてくださいね。
⑤入室したときの対応
トントン・授乳・抱っこ・音楽を聴かせるなどをしないこと、寝つきに関連性を持たせるものを作らないことが重要です。
なにか寝つきと関係があるものがあると、夜中に目が覚めた時にその行為がないと眠れなくなってしまいます。それを防ぎ、自分で寝る力を身につけるためにもそういった関連性を持たせる行為をしないことがポイントになります。
つまり、寝かしつけをして一定時間が経って入室しにいった時も、寝つくまでトントンしたり抱っこしたりせず、1-2分声をかけて自分の存在を示したら、もう一度出てくること。これがとっても大事です。
結局寝つくまで抱っこしてしまったりすると、それは抱っこで寝かしつけられた記憶として残ってしまうので、注意が必要です。
⑥継続すること
2週間は継続してみるようにしましょう。2週間経って何も成果がでない、状況が変わらないようであれば、別のところに泣いている原因がある可能性があります。もう一度睡眠の土台を見直しましょう。
アレンジ方法
先ほどメソッドのやり方の紹介で3分→5分→8分とご紹介しましたが、これは一例であってアレンジしても構いません。
また、次の日は長くして…と言いましたが、それも例えば最初の3日は3分から始める、などでもOKです。
ただ、確実なのは提唱されている方法通りに行うことなので、そこはご了承ください。
今回は「ファーバーメソッド」のやり方やポイントについてご紹介しました。
他にも様々なメソッドがありますが、個別相談ではその中のどういったメソッドが向いているか、ママやパパのお話をお伺いしながらアドバイスをし、土台の作り方から実践中の精神的ケアもしています。
個別相談についてはこちらからプランをご確認ください。
動画拝見しました。参考になります。
現在6か月の娘が夜中、1-2hおきに勢いよく寝返りをし、うつ伏せになってしまうことで起きてしまいます。
そのあと、自力で上手に戻れない様子&うつ伏せで寝ることもできない様子なのですが(そもそもSIDSのリスクからうつ伏せで寝ないほうが良いかとは思いますが、、、)
しっかりと戻れるようになってからファーバーメソッドを始めるべきでしょうか?
日中は寝返りしてうつ伏せ→寝返り返りで仰向けと自在に動いているようには見えるのですが。。