乳幼児睡眠コンサルタントのねんねママ(@nenne_mama)です。
睡眠コンサルティングでいろいろなママさんのお話を聞くと、改めて家庭事情や育児方針はご家庭によってさまざまだなぁと思わされます。
例えば子供の就寝時刻。
あるご家庭では1歳のお子さんが19時ごろから寝室に入り、19時半には毎日寝ついています。
また、あるご家庭では同じ1歳のお子さんがほぼ毎日23時ごろまで大人と一緒に起きていて、寝るのは24時近くになってしまうということです。
同じ1歳のお子さんなのに、こんなにも違いがあることにびっくりしませんか?
ご家庭の事情やパパママがどのように考えられているかはそれぞれなのですが、睡眠コンサルティングの視点で言うと就寝時刻は何時が良いのか、遅くなることのデメリットは何かをお話していきたいと思います。
理想の就寝時刻

子供の理想の就寝時刻は月齢によって異なります。
1日のスケジュールが確立されている月齢かどうか、日中の睡眠を何回とる月齢か、などによって異なってくるためです。
それでは月齢ごとの理想的な就寝時刻を解説していきます。
新生児
新生児は1日のスケジュールが定まっていないので決まりはありません。
夜中も含めて寝たり起きたりを繰り返しているのが通常です。
昼と夜を教えてあげるためにも、朝はカーテンを開けて「おはよう!」と声をかけ、お風呂は早めに入れてあげて、夜は明かりを落とした部屋で生活するのが良いでしょう。
生後1~4か月
この頃になると昼夜が分かってくる子も出てきます。生後3か月が昼夜を覚えてくる目安です。
しかし、まだ1日のスケジュールは定まらず、毎日違ったタイミングで寝たり起きたりを繰り返す月齢でもあります。寝かしつけもなかなかうまくいかず、大変ですよね。
そのため、寝かしつけは20時を目指しつつ、結局寝るのは23時になってしまっても構いません。
生後4~8か月
生後6か月頃になってくると、徐々に1日のスケジュールが定まってきます。
日中の睡眠は、朝寝・昼寝・夕寝の3回に、時間もおおよそ同じ時刻に寝るようになってきます。
目安としては、朝寝9時~/昼寝12時半~/夕寝16時半~などの3回です(あくまで目安です。生後6か月以前の子は4回以上の日中の睡眠が必要な場合もあります)。
夕寝の起きた時刻にもよりますが、19〜20時頃までの寝かしつけを目指しましょう。
生後8~10か月
日中の睡眠が3回から2回に移行してくる時期です。
昼寝の起きた時間を意識しつつ、19〜20時頃までの寝かしつけを目指しましょう。お昼寝が2回の日は一時的に18時台の寝かしつけになることもあります。
10~1歳3か月
ほとんどの子はまだ日中の睡眠が2回必要な時期です。本人の様子を見ながら、お昼寝の時間が中途半端になってしまって1回になるようならその日はいつもより早めに寝かしつけをしてあげましょう。
反対に昼寝の起きた時間が遅くて明らかに元気な場合は、20時台の寝かしつけになることもあるでしょう。昼寝の回数が整ってきたら、毎日就寝時刻を揃えていくことを目指しましょう。
1歳3か月~3歳
ほとんどの子が1回の昼寝に移行してきます。
昼寝の長さや起きた時間次第ではありますが20時頃までの寝かしつけを目指しましょう。
昼寝は2~3時間程度が理想です。それよりも短く起床してしまった場合は、早めに寝かしつけをしてあげることを心がけてください。
また昼寝の時間帯としては、12時頃~が目安ですが、それよりも早い時間に寝始めた場合は連続起床時間が長くなりすぎてしまわないよう、早めに寝かしつけを始めてください。
※上記はあくまで目安です。個人差はありますので参考としてご覧ください。
就寝時刻が遅くなることのデメリット

子供が遅くまで起きているのは、睡眠の質の低下、夜泣き、長時間の寝かしつけ、早朝に起きてしまうなどの睡眠トラブルの元となります。
なぜそのようなことが起きてしまうのかというと、就寝時刻が遅くなる=昼寝(or夕寝)起床後の連続起床時間が長くなりすぎてしまうからです。
月齢ごとの最適な寝かしつけのタイミングなど詳しいことは別記事をご参照いただきたいのですが、連続起床時間が長くなりすぎるとコルチゾールというストレスホルモンが過剰に分泌されてしまうのです。
このストレスホルモンは体を興奮状態にしてしまい、一見子供はとっても元気なように見えます。これが元気で寝なそうという誤解を生んでしまって厄介なのですが、親が寝かしつけのタイミングを意識して子供の様子をしっかり観察することで、本当は眠いということに気づいてあげることができます。
あくびをしたり、ぐずって泣いているときは既に眠すぎているサインです。夜の就寝時だけではなく、日中の睡眠についても月齢ごとの寝かしつけのタイミングの目安を参考にして寝かしつけを始めてあげることを意識してください。
つまり、就寝時刻が遅くなると昼寝(or夕寝)の起床から時間が経ちすぎてしまって、夜の就寝時にはストレスホルモンが過剰分泌された状態になってしまうんです。
そしてそのホルモンに邪魔をされてうまく寝つけず泣く、寝ても眠りが浅くてちょっとした物音で起きる、夜泣きをする、朝4-5時に覚醒して眠れなくなってしまう、などのことが起きます。
▼月齢ごとの必要な睡眠量・寝かしつけのタイミングについてはこちら
将来的な早寝早起き習慣の重要性
先ほど述べたデメリットのほかにも、早寝早起きの習慣がつかないことによる将来的な弊害もあります。
睡眠障害

「睡眠障害」という病気をご存知でしょうか?
睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態をいいます。眠れなくなることはよくみられますが、眠れないことイコール不眠症ではありません。不眠の原因には、環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気から来るもの、薬によって引き起こされるものなど、様々です。
さらに、睡眠障害には不眠だけでなく、昼間眠くてしかたないという状態や、睡眠中に起きてくる病的な運動や行動、睡眠のリズムが乱れて戻せない状態など、多くの病気が含まれます。
—厚生労働省HPより—
いま日本では成人の5人に1人が不眠に悩んでいます。
睡眠の問題はいまや国民病ともいえる問題だといわれています。
不登校と睡眠障害

その睡眠障害の罹患者がいま小中学生にも増えてきてしまっているんです。
共働き家庭の増加により、残業後の親が帰宅してから夕飯、就寝は23時や24時という小学生も少なくない時代です。
そういったことも原因となり、子供のうちに何かしら睡眠の問題を抱えるケースが増えています。
そして、睡眠障害が不登校と深く関係していることが研究によって明らかになっています。
朝起きられないから学校に行けない、遅刻ばかりしているから学校で友達の目が冷たく感じてしまって学校に行くのが嫌になってしまう…といったようなことが起こります。
小さい頃から早寝早起きの習慣をつけておくことが、睡眠障害の予防になり、ひいては不登校を防ぐことにつながります。
参考:不登校と睡眠障害について(2010年J第51回 日本心身医学会総会ならびに学術講演会)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/51/9/51_KJ00007405707/_pdf
睡眠コンサルティングにおける朝とは6時以降を指します。赤ちゃんが4-5時に起きて眠れなくなってしまうのは早起きではなく睡眠トラブルとして捉えています。
6〜7時ごろに起床する習慣をつけてみてくださいね。
早朝起きに困っている方はこちらの記事も参考にしてください。
就寝時刻を早めていくために

じゃあすぐにでも就寝時刻を早めなければ!と思ってくださった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、急に変化させようと思ってもなかなか難しいものです。
まずは15分、生活時間を前倒ししてみてください。
慣れてきたらさらに15分…と無理のない範囲で少しずつ時間を早めていってみましょう。
無理をしてストレスが溜まってしまうようでは逆効果になってしまうこともあります。少しずつ試してみてくださいね。
まとめ
ついつい遅くなってしまいがちな就寝時刻ですが、小さい頃から早寝早起きの習慣をつけておくことは将来にとっても重要なことです。
理想の就寝時刻はおおよそ19~20時です。
ご紹介した月齢ごとの理想の就寝時刻はあくまで目安ではあります。
現状の就寝時刻が目安よりも大幅に遅くなってしまっている方は、ママに負担のない可能な範囲で、少しずつ早めていくようにしてみてくださいね。
生活時間を早めるための時短ワザについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

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子供が早く寝てくれると、ママの自由時間も増えますよね♪