乳幼児睡眠コンサルタントのねんねママ(@nenne_mama)です。
赤ちゃんの睡眠って一筋縄ではいかないですよね。
夜泣き、長時間の寝かしつけ、昼寝をしてくれない…などとにかく色んなことがママを悩ませます。
そこで解決方法を調べてみるとたどり着くのが「ねんねトレーニング」です。
でもそのねんねトレーニング、安易に始めてしまうと実はママにとっても赤ちゃんにとってもつらい結果を招く可能性もあるんです。
そうならないためにとっても重要なのが「睡眠の土台」です。実は多くの睡眠問題はねんねトレーニングをせずに、この睡眠の土台を整えることで解決してしまうんです。
この記事では、そんな睡眠の土台の整え方について解説していきます。
睡眠の土台とは

「ねんねトレーニング」という言葉が多く聞かれるようになり、“夜泣きの改善=ねんねトレーニング”と思われている方も多くいらっしゃいますが、実は必ずしもそうではありません。
メソッド(ルールに則ってトレーニングすること)を使わなくても、寝やすい環境やタイミングなどを整えることによって睡眠改善が可能なことがあります。これを快適な睡眠を得るための土台を整えると考えています。
この土台を確立したうえでも夜泣きの改善が見られない場合にのみ、ねんねトレーニングのプランをご提案しております。(※解決方法は必ずしもねんねトレーニングとは限りません)
睡眠の土台は大きく分けて5つの要素で構成されています。
身体的要因 | 子供の食事(栄養)、健康状態、睡眠、1日のスケジュール、外遊びなど |
社会的要因 | 保育園/幼稚園、家族構成、兄弟や親との関係、育児者へのサポートの状況など |
成長要因 | 子供の障害の有無、出産時の経験(バーストラウマなど)、各月齢にあった成長(体重増加、ハイハイ、お座り、歩く、話すなど)をしているか、分離不安など |
環境要因 | 日光の入り具合、寝室の環境、ホワイトノイズ、乳幼児突然死症候群のリスクの有無など |
幸福度 | 親(育児者)と子供の心が満たされているか |
「●●的要因」なんて言われると急に難しく聞こえてしまいますが、要するに5つの角度から快適な睡眠の条件を整えていきましょう!ということです。
少なくとも今まで私がお悩みを聞いた方の中には、これが完璧に整えられている方はいませんでした。お話を聞いていくと、みんな何かしらこの中に睡眠を阻害している心当たりとなる箇所があります。
これを解決しないまま、例えば泣いたまま寝室に赤ちゃんを置いて出ていくねんねトレーニングなどを行ってしまうと、赤ちゃんが眠れない要因が取り除かれていないのにママに出ていかれてしまって、赤ちゃんは余計に眠れずにさらに泣くことになります。
これでは赤ちゃんもママもつらいですよね。
だからこそ、まずは睡眠の土台を整え、赤ちゃんが眠れない要因を取り除くことが大切なんです。
この記事を読んでくださっている皆さんにも睡眠の土台をチェックしていただけるよう、次から各項目の具体例とチェックポイントを解説していきます。
身体的要因

身体的要因とは子供の食事(栄養)、健康状態、睡眠、1日のスケジュール、外遊びなどのことです。
1日のスケジュール
睡眠問題を抱える多くの方が整えられていないのが、1日のスケジュールです。
起床時間、就寝時間だけでなく、朝寝・昼寝・夕寝のタイミングや長さ、起きてから次のねんねまでの時間などが睡眠の質に影響してきます。
赤ちゃんが機嫌よく元気に起きていられる時間は月齢ごとに異なり、適切な寝かしつけタイミング過ぎてしまうと疲れすぎてしまって逆に眠れなくなってしまうんです。
▼月齢ごとの適切な睡眠量や適切な寝かしつけタイミングの目安はこちら
遊び・食事
スケジュール以外にも、月齢にあった遊びや運動をしていることや食事の内容も大切です。
外遊びができる月齢の子であれば、日中にしっかりと外で体を動かすことは質の良い睡眠につながります。
まだ外遊びのできない低月齢の赤ちゃんでも、腹ばいで寝がえりの練習をしてみたり、いないいないばあぁをして遊んだりすると赤ちゃんにとっては良い刺激になります。
食事については、就寝前に睡眠を妨げる食べ物(胃の負担になったり消化が難しかったりする食事)を避けることも良質な睡眠の助けになります。例えば揚げ物や生のたまねぎ、アイスクリームを食べすぎることなどはあまり良くありません。
社会的要因

社会的要因とは保育園/幼稚園、家族構成、兄弟や親との関係、育児者へのサポートの状況などのことです。
保育園/幼稚園
保育園や幼稚園に入園することは子供にとっては社会にデビューする大きな環境変化です。
小さな赤ちゃんはもちろん、幼稚園児の年齢の子たちにとっても心が不安定になって夜泣きやグズグズなどの変化の原因になったりもします。
そういうときは環境の変化のせいなので、慣れれば解決してきます。焦らずにたくさん甘えさせてあげてください。
新しい家族の誕生
兄弟の誕生もお兄ちゃんお姉ちゃんになる子にとって大きな変化を与えます。赤ちゃんが生まれるとママが赤ちゃんにかかりっきりになってしまうなどして、上の子が不安定になり夜泣きをしたりグズグズしたりしてしまうこともよくあります。
対策は上の子の年齢や状況によって異なりますが、下の子にかける時間をある程度区切ったり、早めに寝かしつけをするようにしたり、下の子は抱っこしながら上の子と公園にいってあげる時間を作るなど、上の子の気持ちを満たしてあげる時間を作ることが重要です。
成長要因

成長要因とは子供の障害の有無、出産時の経験(バーストラウマなど)、各月齢にあった成長度合い(体重増加、ハイハイ、お座り、歩く、話すなど)、分離不安などのことです。
障害・バーストラウマ
障害があったり、バーストラウマがあったりする赤ちゃんは睡眠問題を抱えやすい傾向があります。
バーストラウマとは、主に出産時(正確には胎児期から生後3か月)の経験により赤ちゃん自身が心の傷をおってしまうことを指します。
それぞれ専門医のケアが必要なことではありますが、睡眠問題については個別でコンサルティングをさせていただくことが可能です。
急成長期
急成長期(ハイハイができるようになった・歩けるようになったなど)には睡眠退行という現象で、今までよく寝てくれていたはずの子が急に泣くようになったり、夜中にハイハイやたっちの練習を始めたりして眠れなくなるということが起こることがあります。
睡眠退行は1週間で終わる子もいれば1ヶ月ほど続く場合もあります。
成長している証拠なので、悪いことでは全くありません。あたたかい気持ちで見守ってあげてください。
環境要因

環境要因とは日光の入り具合、寝室の環境、ホワイトノイズ、乳幼児突然死症候群のリスクの有無などのことです。
スケジュールとあわせて睡眠問題の二大要因となっているのが寝室の環境です。
日光の入り具合
光を完全にシャットアウトした真っ暗な環境で寝かせてあげることは非常に重要です。
大人もぐっすり眠ろうと思ったら、真っ暗な寝室のほうが眠れませんか?赤ちゃんも同じなんです。
夜泣きに悩むママさんのお話を聞くと、結構多くの方がお昼寝を明るいリビングでさせていたりします。これ、夜泣きの原因になってます。
昼寝も真っ暗な寝室でさせてあげてください。※外出時は仕方ないです。ベビーカーにカバーをつけてあげるなどして、できるだけ暗くしてあげてください。
▼寝室を真っ暗にすることの重要性や方法についてはこちら
寝室の環境
よく眠るためには寝室の環境がとても大事です。
赤ちゃんは暑がりなので、大人がちょっと寒いなと感じる20~22℃が室温としては適温です。
夏は冷房・冬は暖房で調整してあげつつ、湿度は40~60%に保てるように適宜加湿器をつけてください。
1歳未満の乳幼児には掛け布団は不要です。
温めすぎは乳幼児突然死症候群の原因にもなりますので、特に注意が必要です。
▼乳幼児突然死症候群についてはこちら
掛け布団をかけないこと以外にも、大人のベッドに添い寝しないこと、1歳未満はベッドにぬいぐるみや枕などのやわらかいものを置かないこと、ベッドガードを使用しないこと、頭の近くに携帯電話を置かないことなど、安心して眠れる環境づくりのポイントがあります。
詳細は別記事をご確認ください。
▼安全な睡眠環境についてはこちら
ぐっすりノイズ(ホワイトノイズ)
周囲の音がうるさいという方にはぐっすりノイズをおすすめしています。
ぐっすりノイズとは一般的にホワイトノイズやピンクノイズと呼ばれ、テレビの砂嵐のような音のことを指します。赤ちゃんがママのお腹の中で聞いていた音に似ているそうです。
周囲の雑音をかき消してくれる効果があります。
ホワイトノイズマシンといった専用の機械も多く発売されていますし、携帯のアプリでも多く出ています。
使用する際は、寝かし付けから朝起きるまで連続して同じ音を鳴らしておきましょう。※頭から2m以上離れた足元に設置し、頭の近くに携帯を置かないようにしましょう。
▼おすすめホワイトノイズマシンの記事はこちら
▼ぐっすりノイズの詳しい使い方や解説記事はこちら
幸福度

幸福度とは、どのくらいポジティブな気持ちで暮らせているか、自信が持てているか、ストレスなく幸せだと感じられているかなどの指標です。
睡眠コンサルティングにおける幸福度とは、親と子供の幸福度のことを指します。
親の感情は子供の心に直接的にリンクされているので、親の幸福度が低い状態で赤ちゃんに接していると、赤ちゃんにもそれが伝わって不安定な気持ちになり、睡眠の質の悪化につながっていると考えられています。
特にワンオペ育児をされているママはストレスが溜まりがちです。
パパや育児をサポートしてくれるご家族と相談をして、息抜きができる時間を確保することも、間接的には赤ちゃんの質の良い眠りにつながってきます。
また、赤ちゃんが親に愛されている・ちゃんと相手にされていると感じづらいと、同様に心が不安定になってネガティブな影響を及ぼすことが考えられます。
幸福度が増すと親子の絆が深まって、互いにポジティブになり、自信につながります。
そのポジティブな気持ちや心の安定が睡眠の質を高め、ねんねトレーニングの必要なく問題が解決したりします。
私もやってしまいがちなのですが、ついついスマホを片手に子供の相手しちゃいますよね。
1日に1時間、数十分でもいいので、スマホを持たずに目を見て向き合ってあげる時間をつくってあげることが、幸福度を高めることにつながりますよ。
▼親子の幸福度について詳細はこちら
まとめ

身体的要因、社会的要因、成長要因、環境要因、幸福度によって構成される睡眠の土台、どんなところがチェックポイントかご理解いただけましたでしょうか?
「あ、これやっちゃってるかも…?」という項目、もしあったら改善してみてください。
記事では簡潔に書きましたが、実際1つ1つ問題のありそうな場所を探して改善していくのは結構なが~~いお話になりますし、どんなご家庭か、どんな寝室の環境か、保育園に行っているのか、など本当にありとあらゆる条件によって睡眠問題の原因は人それぞれです。
個人的に相談したい、我が家の場合はどうなのか教えてほしい、詳しい話が聞きたい、という方はこちらからお気軽にご連絡ください。

赤ちゃんのねんねに関する個別のご相談はこちらから。
それでは、すやすやおやすみなさい♪